7月26日(金)
「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」展
見学会
@国立新美術館

国立新美術館で開催中の「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」展を見学しました。
見学に際しては、本ゼミの博士前期課程に在籍中で、ボルタンスキーを専門に研究している池田淳史さんに解説してもらいました(写真)。

今回の展覧会は、現代のフランスを代表する作家、クリスチャン・ボルタンスキー(1944年-)の約50年間にわたる活動の全体像を紹介する、国内では過去最大規模の回顧展です。
作品の大部分は、金属製の引き出しやビスケット缶、電球、古着など卑近な日用品を素材としており、それらを整然と並べる形式は同時代のミニマリズムと軌を一にしています。
一方で、磔刑のキリストや祭壇画、聖ヴェロニカといった、宗教に由来する形式や題名をもつ作品も多数みられ、神秘的でありながら同時にノスタルジーを感じさせる、ボルタンスキー独自の世界観を広大な空間で存分に味わえる展示となっています。

ボルタンスキーは時にホロコーストを想起させるイメージを作品に用いますが、池田さんの解説では、彼の関心は特定の個人や集団というよりも、あらゆる人間の記憶や生死といった、より普遍的なテーマに向いているのではないか、とのことでした。
その他にも、仕事場での作家自身の様子を記録した映像作品、視覚のみならず聴覚に訴えかけ、時に匂いや時間性をも取り入れたインスタレーションなど、多岐にわたる作品が見られ、作家の実験的な試みの数々を一挙に体感することができました。


なお見学会の後には、六本木にて懇親会を行いました。 ゼミ生同士の親睦を深めるとともに、留学や卒業をされる方々の門出をお祝いすることができました。
[ 文責:牧野由実 ]